4月29日にコペンハーゲンで行われた演奏会・2夜目。
詳細はこちら。
29 april 2016 20:00 Louisiana Museum Of Modern Art
Nemanja Radulović violin
Laure favre-Kahn piano
Program
Ernest Bloch Nigun
Edvard Grieg Sonate for violin og piano nr.3 c-mol op.45
César Franck Sonate for violin og piano A-dur
Charles Auguste de Bériot Scene de ballet
この日、主人はリュック事件から1夜明け、更に意気消沈。
たまたまコペンハーゲン在住の知人がいたので、夜の街でも案内していただけば?と送り出し、演奏会は私一人で出かけることに。
大好きなカクテルでも飲めば少しは元気になるだろうし・・・・・。
と、思っていたら、前回の日記に書いた通り、私のカードで散財し、お買い物までし、完全な酔っ払い状態で、深夜にご機嫌でホテルに戻ってきました。
すっかり元気になって何より・・・・・・(;´・ω・)
そんなことはともかく。
ちょうどこの時期、コペンハーゲンは桜が見頃でした。
フムレベック駅前には並木道が。
駅からてくてく歩き、ルイジアナ美術館へ。
この日もLさんがチケットを手配してくださったので、受付にお伺いしたら名前と座席番号入りの封筒をいただきました。
時間があったのでお庭を見学。
そして館内へ。
特別展を見学するとまた迷子になりそうだったので、外の回廊からコンサートホールへ入りました。
ホール横のカフェに到着。
ここでLさんに偶然お会いしたのでご挨拶とチケットのお礼。
こんな素敵な場所で演奏を聴けるのも、Lさんのおかげです!
本当にありがとうございます。
私の座席は左サイドの通路寄りの最前列でした。
2日続けて本当に良い席をご用意していただいて申し訳なかったです・・・・。
前日ゆっくり休んだので体調も万全。
素敵な演奏を堪能します!
20時を少し過ぎた頃に颯爽と登場されたネマニャ君とロールさん。
前日はラフなプルオーバーにパンツルックだったロールさん。
この日はスリットの入った素敵な黒いドレス姿。お美しい・・・・・とうっとり。
本当に綺麗な方ですよね。
日が暮れ始めて少しずつ薄暗くなる会場に、二―グンのエキゾチックな音はピッタリでした。
いつもお二人が演奏するニーグンをYou tube で観ては「いつか生演奏で聴きたいなぁ。」と思っていたので、スーザンさんがご出演されなかったのは本当に残念だったけれど、ニーグンが聴けたのはとても嬉しかったです。
そしてこれまたYou tube およびNHKの録画でしょっちゅう観ているグリーグのヴァイオリン・ソナタ。
ロマンティックで抒情的な感じや、狂気染みたダークさや重厚さ、そんな中にロマっぽさも感じる不思議な曲。
演奏家として様々な顔を持つネマニャ君にはピッタリの曲だと思います。
パリで初めて生で聴いた時「見た目通り繊細な演奏をされる方だな。」と感じたロールさん。
そんなロールさんとのネマニャ君の演奏はいつもより少しだけ冷静な感じ。
スーザンさんと演奏される時のやんちゃで自由気ままに思いっきり突っ走るような感じではなく、ちょっとクールで大人っぽい印象。
それを楚々とした感じの音でロールさんが支えているようなお二人の演奏。
スーザンさんとはタイプが全く違うピアニストさんだと思うので、音が昇華した世界観が全く異なる印象です。
以前ネマニャ君がインタビューでロールさんのことを「とても遊び心があって、ロマンティックな演奏をする。」と語っていらして、ドミニクさんやスーザンさんとは方向性が違うといったことをお話しされていましたが、それがなんとなく納得。
確かにロマンティックな音を奏でるコンビです。
会場の雰囲気とも合っていて、幻想的な世界。
自然にぽろぽろと涙がこぼれます。
そんな泣き虫な私の横に座っていらしたおじ様は、椅子に体を投げ出し気持ちよさそうに居眠り中・・・・・。
第一部が終わり休憩に入る際に、周囲の方々が席を立ち会場がざわざわし出したので、ようやく目を覚ましたおじさま。さめざめと泣いている私の顔を見てギョッとしたようなお顔をされていました。
きっと「何事????」と思われたのかな・・・・。
いやいや、こちらこそあの演奏で寝るってどういうことですか???と本気で不思議でした。
奥様がファンで無理やり付き合わされたとかそういうことなんだろうか・・・・(;´・ω・)
ところが第二部では、「おじ様、また寝ちゃうかな?大丈夫かな?」と思っていたのですが、チラッと私の方を見て、椅子にしっかり腰掛け、真面目なお顔で聴いていらっしゃいました。
そして演奏が進めば進むほど、だんだん前のめりに。
終盤は夢中になって聴いていらしたご様子。
もしかして「あれ?この子なんでこんなに泣いているんだ。もしかしてそんなに良い演奏なのか?じゃあ後半はちゃんと聴いてみようかな。」と思ったのかなーと想像しちゃいました。
すみません、ワタシ妄想癖があるんです・・・・( ̄ー ̄)
そんな第二部はフランクのソナタから。
明かりを落とした会場内、静寂の中で演奏するお二人。
窓から差し込む薄暗い光を背に、ご自分の世界に没頭するかのような演奏のネマニャ君。
波間を漂うような神秘的な音に、「そういえば窓の外はすぐ海だなー。」と思い、不思議な気持ちで聴いていました。
感情の波が押し寄せるような音。キラキラ飛び回る珠みたいな美しい音。
海の底にいるみたいで。月明かりの下にいるみたいで。
一音一音に意思があって、色があって、様々な情景が浮かんで。
夢みたいな空間で夢みたいな音。ただただ幻想的でした。
ヴィルヘルムスのあの姿を思い出しては、こうしてここで演奏していることがそもそも奇跡みたいな事だと、そしてそれを聴くことができる私はこの上ない幸せ者だと、強く実感してまたもや涙がぽろぽろ。
本当に奇跡みたいな人で信じられない人です、ネマニャ君は。
美しい夢に終わりを告げるように、強烈な印象を残したフィナーレ。
たった250席の会場とは思えないほどの拍手が鳴り響きました。
そんなフランクのあとにべリオの「バレエの情景」。
選曲のセンスが素敵すぎて痺れる・・・・・・。
Trillesヴァージョンではひたすら楽しくって美しいこの曲、ロールさんとのヴァージョンはとてもチャーミングでロマンティックな演奏でした。
泣きながら、でも嬉しくってニコニコしちゃっていた私。
ネマニャ君もロールさんの方を見ながら、終始楽しそうに笑顔で演奏されていました。
本当に素敵な演奏でした。
「ブラヴォー」という声が飛び交い、鳴りやまない拍手の中、再度登場されたお二人。
前日は弾かなかったアンコールもご披露。
曲はチャルダッシュ!!!
心の中で「きゃー!!!やったー!!!」と叫んでいた私。
You tube(しつこい・・・・)でいつも観ています!
ネマニャ君とロールさんがフランス・ミュージックの企画で弾いたチャルダッシュ、大好きです!
笑っちゃうくらい超高速なネマニャ君に、ロールさんの華麗なグリッサンド。
凄すぎて素敵すぎて幸せ過ぎた!
会場中大喝采・大拍手で当然スタンディング・オベーション。
本当に素晴らしい演奏会でした!
終演後はLさんに連れられてバックステージへお邪魔させていただきました。
「また泣いたのー?」と笑って出迎えてくれたネマニャ君。
ロールさんにもご紹介していただき、お二人とあれこれお喋りさせていただきとっても楽しいひと時。
ロールさんは間近で拝見すると、本当に動くフランス人形!超綺麗!めちゃ美人!
でもとっても親しみやすくって話しやすい素敵な方なのでした。
そんな絵になるお二人を記念撮影。
終演後でお疲れにも関わらず、あれこれ気遣ってくださったネマニャ君。
私が一人で来たので心配してくださって「帰りはどうやって帰るの?電車?駅はここから近い?僕が一緒にコペンハーゲンまで行ければいいんだけど・・・・。」と優しいお言葉。
本当に優しくって良い人過ぎて涙が出る・・・・・(/ω\)
年々高い場所に上っていかれて、世界的なソリストになられた今でも、気さくで気遣い屋さんで優しいネマニャ君。
世界中を忙しなく駆け回るお仕事で、本当に大変な思いもされていらっしゃるし、有名になればなるほど窮屈な思いもされていらっしゃるようですが、愚痴をこぼすことなく、ただただ真摯に音楽に向き合い、そして周囲の方々に温かく接するそのお姿には本当に頭が下がります。
その音楽で大勢の方を幸せにしていらっしゃる分、ご自分のことを犠牲にすることも多いのだと思います。
そんなネマニャ君に私が望むことは、ただただお体を大切に、そして近しい方々との日々の生活が喜びと幸せに満ち溢れたものでありますようにということ。
ネマニャ君とご家族の健康と幸せが私の願いです。
それだけを遠い場所からいつも祈っています。
ネマニャ君とロールさんとお別れし、最後にLさんにお別れのご挨拶をしたところ「またおいでね。これから聴きたい演奏会があったらいつでも僕がチケットを用意するからね。」と嬉しいお言葉。
こんな素敵な演奏会を聴けたのも、ひとえにLさんのおかげです。
本当にありがとうございました!!!
帰りも駅までてくてく歩きました。
夜の桜並木も綺麗でした。
ご機嫌で乗った電車。
ところがこの日は金曜日。
前日はあんなに静かだった車内は酒盛りする若者で溢れ、持ち込んだラジカセ(今時・・・・)でガンガン音楽を流し、踊るわ歌うわ大騒ぎ。
下手すると未成年?ってくらい若い子が多くて、女の子も沢山いましたが、例外なく酔っ払い集団。
車内にはビールやワインの空き瓶が転がり、その中を車掌さんが検札してまわるというカオス状態。
こんな時は絡まれないように地蔵になるに限る。
これが海外で身を守る鉄則だ!
という訳で、コペンハーゲンまでの30分、ひたすら存在を消し地蔵になりきっていたら、向かいの席に座っていた現地の方らしいおば様も同じく地蔵になっていた・・・・・お仲間だ(;・∀・)
うんうん、そうですよねー。地元の方といえども、困った時は地蔵が一番。
そんなおば様、中央駅の二つ手前の駅で降りていかれたのですが、降り際に私を見て「気をつけて帰ってね。」と言わんばかりにニコッと微笑まれて降りて行かれたのでした。
良い方だったなー。海外でこういう方に出会うとホッとします。
という訳で、地蔵状態で中央駅に到着したのは23時過ぎ。
徒歩でホテルへ戻ってホッと一息。
本当に想い出に残る演奏会でした。
開放感いっぱいの気持ちの良さそうなホールですね。窓いっぱいに外からの明るさ!夜は夜で素敵そうだし。うらやましい(^^)
返信削除ホールだけではなく美術館も本当に素敵で【世界一美しい】の名にふさわしい素晴らしい場所でした!ネマニャ君の演奏会がなかったらきっと一生行く機会なんてなかっただろうなと思うと、本当にネマニャ君にはただただ感謝です(^^♪
削除