"" 8月 2011|ネマニャの音に恋してる ♪ ネマニャの音に恋してる ♪: 8月 2011

2011/08/30

31 juillet 2011 3ème Festival d'Arromanches ♪


7月31日にフランスのノルマンディー地方の海辺の小さな町、アロマンシュ(Arromanches)で行われた演奏会です。

7月24日から31日まで行われたこのフェスティバル、様々な演奏会が無料で楽しめたのですが、このクロージング・コンサートのみ有料でした。

とはいえチケット代は破格の15ユーロ!
こんな値段でネマニャ君を聴けるなんて、またもや罰が当たりそう・・・・。

当初発表されたプログラムは、チャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルト。
ネマニャ君の演奏するチャイコンは本当に美しいので、とても楽しみにしていましたが、途中でプログラムが変更されました。

でも変更後のプログラムの中に、「シンドラーのリストのテーマ」のオーケストラ・ヴァージョンが入っていたので、これはこれでとっても楽しみでした♪

チケットは電話予約となっていましたが、私はフランス語は一切できないので、メールで予約をお願いし、演奏会の前日にアロマンシュの観光協会で受け取りました。

恐らく日本人の予約がよほど珍しかったのか、受け取りに行くなり、「(ネマニャの)ファンなの?」と聞かれました。

当日のプログラムはこちら。フェスティバルのオフィシャル・サイトから抜粋です。

Dimanche 31 juillet - 18h00 - Eglise d'Arromanches
Concert de Clôture

Ouverture de Don Giovanni, W.A.Mozart

Introduction et Rondo Capriccioso, C.Saint-Saëns
La Méditation de Thaïs, J.Massenet
La Liste de Schindler, J.Williams
Airs Bohémiens, P. de Sarasate

Symphonie n° 4, L.V. Beethoven

Violon: Nemanja Radulović
Direction: Nicolas André
Orchestre du Festival

町全体がフェスティバル・ムードに包まれていました。


演奏会の開始時間は18時。
会場の教会へ向かいます。
こちらが会場のEglise d'Arromanches



チケットに座席番号が無かったので、恐らく自由席。
1時間前に会場に到着しましたが、既に開場を待っている方々が。
皆さん、待ちきれないご様子でした。


約30分ほど前に開場。教会内は細長い造り。
前から6列目くらいまでは関係者用の座席だったので、私が座れたのは10列目くらいでした。

内部は残念ながら撮影NG。

華美ではなく、至ってシンプルな造りながら、薔薇窓から差し込む光が柔らかく、素敵な教会でした。
あっという間に教会内は満席に。

18時を少し過ぎた頃に、開演。
最初にこの演奏会のディレクターさんと、指揮者さんのトークがありました。

ディレクターさんはVincent Legoupilさん。

ご経歴をパンフレットで拝見しましたが、ノルマンディー生まれで、カーンの国立高等音楽院ご出身のバソン奏者(さすがフランス♪)の方だそうです。

とても素敵な方でした。

でも、このトークが思った以上に長かった・・・。
フランス語でのマシンガン・トークは、もちろん意味がわかる訳もなく、音楽みたいに聞こえてくる。
そして、ようやく演奏がスタート。

オケは弦が第1ヴァイオリンから6・6・4・4・3、これに2管編成で総勢37名でした。
今回の演奏会の為に結成されたオケの様で、皆さんパリからいらしていた様です。

この教会の雰囲気の中で聴く、ドン・ジョヴァンニの序曲。
冒頭の迫力に、転調した後のウキウキ加減。
まさしく序曲にピッタリな演奏でした。

そしていよいよネマニャ君の登場♪
この日もフワフワの長髪をなびかせて颯爽と登場。
黒の上下に黒のインナーで、そしていつもの心和む素敵な笑顔。

演奏順はマスネの「タイスの瞑想曲」が1曲目になっていました。
以前にハーピストのマリエルさんとネマニャ君の演奏で聴いた事がありましたが、オーケストラとの演奏は初めて。
本当に繊細で美しく、かつ情感たっぷりに歌いあげるような音色でした。

2曲目はサン=サーンス。「序曲とロンド・カプリチオーソ」
ネマニャ君の演奏会のプログラムでたまに見かけて、前からとても聴いてみたかったので嬉しかったです。

序盤の哀愁溢れるメロディーは哀しく美しいし、ロンドはスペイン風でありながら、ネマニャ君の演奏だと、ちょっとロマというかジプシー的な要素も加わって、とても小気味良い演奏。

かなりテンポを上げて演奏されているようでしたが、速いパッセージも、もたつく事が一切なく1音1音が本当にクリア。
素人が聴いても、相当難しく思えるこの曲を、いとも簡単に弾いているように見えてしまうから、本当にこの人は凄い!と思わざるを得ませんでした。

普段は某・有名ヴァイオリニストのCDで聴いていますが、若干もっさり演奏している気がするので、このネマニャ君の演奏のスマートさは、本当に恐ろしい才能&ご本人の凄まじい努力としか言いようがないです。

素晴らしい演奏でした。
会場も大喝采。曲毎にネマニャ君は一度袖に引っ込み、登場する度に会場中から大拍手。

3曲目はジョン・ウィリアムズ「シンドラーのリストのテーマ」

ここ最近はTrillesの演奏会でアンコールによく弾いていらっしゃいますが、このオーケストラ・ヴァージョンはより音に深みが加わり、ネマニャ君の美しい旋律が際立って、本当に美しかったです。
またもや感極まって泣いてしまった・・・。

こんなにも美しい場所で、こんなにも美しい音楽。
生きているって素晴らしい・・・・。
怖かったけど、手術頑張って良かった!と今更ながら思いました。

そして演奏が終わったら、袖に引っ込む事無く、指揮者さんに何かを話しかけたネマニャ君。

そのままサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」へ。
これも某・超有名(お名前は自粛・・・・)ヴァイオリニストさんのCDでいつもは聴いているのですが、ネマニャ君の演奏は全く違って聞こえました。

冒頭の悲劇的な感じの、重苦しさを引きずるような音色は、思いっきり重厚感を出しつつ、2部は心に染み入る美しさ。
そしていきなりテンポをあげて、Allegro molto vivace!!!
言葉通り、めちゃくちゃ溌剌と快活に!!!

「うわーっ!!!!キター!!!!」と叫びたくなる、アドレナリン大放出な、ド派手な演奏!!!
ネマニャ君の恐ろしく速いパッセージに、オケも全然負けていません。
ジャンジャン鳴らして鳴らしまくって、素晴らしく高速かつ高度な演奏で、あっという間にフィナーレへ。

素晴し過ぎて、凄過ぎて、もはや号泣に近い状態の私。
隣に座っていらしたマダムに「泣いているの?大丈夫?」と心配される有様・・・・。
本当に素晴らしい演奏でした!!!

観客の皆様も大喝采。スタンディング・オベーションでブラヴォーの声が飛び交いました。
ネマニャ君もとっても満足気なご様子で、嬉しそうでした。
オケの皆様もとっても清々しい良いお顔♪

そしてアンコールにはブラームスの子守唄をピッツィカートで披露♪
意外な選曲に会場からは笑い声が。ウィット溢れる演奏で楽しかったです。
余りの演奏に、ボーっとなってしまい、ベートーヴェンの4番は心ここにあらずだった私。

後半は正直言って余り覚えていません・・・。

終演後、再びヴィンセントさんの挨拶があり、ネマニャ君も再度舞台に呼ばれました。
既に私服に着替えていらして、客席を抜ける様に小走りで現れる様子に、会場からは笑い声と温かい大拍手♪

最後まで和やかな雰囲気で、温かく素晴らしい演奏会でした。

この日は休憩中と、終演後と2度もサイン会がありました。
サインを頂いたり、お話させて頂いたり、お写真撮ったりと、皆さん思い思いにネマニャ君と交流♪
ご本人もとっても楽しそうにされていました。

ネマニャ君は本当にファンの方々に優しくって、私にも色々とお気遣い頂きました。
世界的な演奏家でありながら、ファンの方々1人1人に本当に丁寧にご対応されるお姿には、毎回感動します。

そして会場で、ネマニャ君のFan pageでよくお顔をみかけるファンの方と偶然お逢いできました。
お友達のお友達なので、お互い存在は知っていたのですが、お逢いしたのは初めて♪
短い時間でしたが、お話させて頂いてとても楽しかったです。

こうしてまた新しいお友達ができたり、素敵な場所に来れたり、素晴らしい音楽を聴けるのも、本当にネマニャ君のお陰です。

本当にネマニャ君の音楽に出逢えた事、そしてネマニャ君の存在そのものに心から感謝しています。
これからも素敵な音楽を沢山届けて下さいませ♪
また、素晴らしい演奏を聴ける日を心待ちにしております。

そしてこの日のビッグ・サプライズ。

「これ君に。」ってネマニャ君にいただいた封筒。
封筒の表には私の名前が入っていました。


中に入っていたのはアロマンシュの素敵な絵葉書。
裏にはサインとメッセージが入っていました。

嬉しすぎる贈り物!感激!


ネマニャ君、本当にありがとうございました!!!


2011/08/26

8月の演奏会♪

この夏は様々な演奏会に登場されたネマニャ君
先日のセルビアでの演奏会で、一連の夏の演奏活動を終えられた様です。
そんな8月の演奏会を、振りかえってみたいと思います。

82日はフランス中部の、ヴァレンヌ・ラルコンス(VARENNE L’ARCONCE)での演奏会。
こちらは昨年もご出演された、ブリオネの音楽祭の中の演奏会だったようです。
詳細はこちら。音楽祭のパンフレットから抜粋です。

7ème édition Musique en brionnais
Mardi 2 août
20h30 I Concert d’ouverture
« Liszt - Au coeur du romantisme » 
église de varenne l'arconce

MENDELSSOHN Sonate pour violoncelle et piano n°2 opus 58

SCHUMANN Sonate pour violon et piano n°1 opus 105
LISZT Bénédiction de Dieu dans la Solitude
BRAHMS Trio n°1 opus 8


Nemanja Radulović, violon
Guillaume Martigné, violoncelle
Juliana Steinbach, piano


演奏会場はまたもや素敵な教会だったようです。

この演奏会も聴きに行きたかったですが、一応これでも社会人な私。
さすがにこれ以上の長期休暇は無理なので、涙を呑んでこの日に日本へ帰国しました・・・・。

85日はフランス西部のヴァンデ県(Vendée)の、フッセ=ペレ(Foussais-Payré)での演奏会。
こちらも音楽祭の中の演奏会。2009年にもご出演されています。
詳細はこちら。

13ème NUITS MUSICALES EN VENDÉE ROMANE
Vendredi 5 août
Eglise de Foussais-Payré

Marielle Nordmann, harpe
Nemanja Radulović , violon
Chopin, Mendelssohn, Tchaïkovski, Fauré, Bartok


マリエルさんとの演奏会♪ 
小作品集だったようで、他にはオーベルチュールとか、サン=サーンスとかを演奏されたようです。

この夏ラストの演奏会は、819日。セルビアでの演奏会。

セルビアとはいえ、首都ベオグラードから100キロくらい離れた、Aleksandrovac(恐らく発音はアレクサンドロバツだと思います・・・・)という、ワイン造りが盛んな小さな町での演奏会だったそうです。
この町のフェスティバルのテーマが「音楽、ワイン、自然」で、この一環の演奏会。
子供たちへの教育に力を注いでいるようで、声楽やヴァイオリンのマスタークラスや、様々なワークショップも行われたようです。

そして演奏会の詳細はこちら。音楽祭のプログラムから抜粋(故にセルビア語)です。

KozArt 2011
19. avgust

SVEČANO  OTVARANJE  FESTIVALA  
Dom Kulture Aleksandrovac u 21h
Nemanja Radulović i Les Trilles du Diable (Đavolji triler)  
program: Punjani-Krajzler, Vijenjavski, Vitali, Šubert, Čajkovski, Tartini,

Les trilles du diableの演奏会。
演奏会の様子を伝える、ニュースを読みましたが、観客の皆様がスタンディング・オベーションで大喝采だったそうです♪

ネマニャ君も「今までのセルビアでの演奏の中で、最も好きな演奏の一つ」と言っていたのと事。
とても素晴らしい演奏会だったようですね。

そんな演奏会のお写真は、既にFan pageにもUPされていますが、こちらのサイトでも見ることができます♪

http://www.cosartfest.org.rs/index.php?option=com_content&view=article&id=76:galerija-2011-prvi-dan&catid=36:galerija&Itemid=101


この夏も様々な演奏会に登場されて、本当にお忙しかったと思います。
秋以降も既にスケジュールが続々と決まり、新しいCDの発売も控えて、きっと益々お忙しくなられる事と思います。
どうぞお身体にお気を付けて、これからも素晴しい演奏を届けてくださいませ。

2011/08/12

Mercoledì 27 luglio DAL NEOCLASSICISMO AL ROMANTICISMO ♪


この演奏会の開催を知ったのは2月。

ヨーロッパは色々な国に行っていますが、何故かイタリアには今まで縁がありませんでした。
何となく「たまにはイタリアも良いかも♪」と思い、この演奏会に行く事にしたのですが、本当に情報が少なくて苦労しました。

でも苦労した甲斐があって、本当に素晴らしい演奏会でした。

詳細はこちら。

150 anni dell'Unità d'Italia

Concerto mercoledi 27 luglio 2011 ore 21.30

SANTENA - Castello Cavour di Santena
DAL NEOCLASSICISMO AL ROMANTICISMO

Orchestra Sinfonica Nazionale della Rai
Trisdee Na Patalung, direttore
Nemanja Radulović,violino

Luigi Cherubini ( (1760-1842)
Ouverture da concerto in sol maggiore

Niccolò Paganini (1782-1840)
Concerto n. 1 in re maggiore op. 6 per violino e orchestra
Allegro maestoso
Adagio espressivo
Rondò. Allegro spiritoso - Un poco più presto
•••
Luigi Cherubini
Sinfonia in re maggiore
Largo. Allegro
Larghetto
Minuetto
Allegro assai

事前に日本で調べたのと、色々アドバイス頂いたのを参考に、行きはバスで行く事にしました。
バスは70分以内なら、どこまで行っても1ユーロとの事。

事前にTabacchi(タバコ屋さん)で念の為に、チケットを2枚購入。
ポルタ・ヌオーヴァ駅前の乗り場から、67番バスに乗車しました。

バス停はフェルマータ(Fermata)と呼ばれていました。
バスを降りる時は、日本と同じくブザーで知らせますが、次はどこというアナウンスは一切ありませんでした。

目的のフェルマータまで何駅(バス停も駅と呼ぶらしい)なのか、心の中で数えながら、約10分で乗り換えのフェルマータであるダンテ(Dante)に到着。

ここからが目的地までは遠い。確か47か48くらい先のフェルマータが会場の最寄り駅。
しかも市バスとはいえ、かなりのスピードで、高速バス並みでした。

進めば進むほど、市街地からどんどん離れて、郊外になっていくのがわかる。
確かにかなり遠い・・・・・。

スピードが速いので、通過するフェルマータの標識は一切見る事ができません。
停車する度にここがどこなのか、必死で確認。

約45分でようやく目的のフェルマータ・AMATEISに到着しました♪



教会らしいものが見えていました。きっとあれが会場だ。
思っていた以上にお店とかもあって拓けているし、帰りも危なくなさそう♪

ここまで遠いと、トリノからタクシーを呼んでも来てくれない可能性もあるので、帰りもバスにしようと決意。

帰りのバス用のフェルマータ・COSMAE DAMIANO CAPOLINEAの場所も確認。
さあ、演奏会場へ行こう。

カヴール城はかなり広い敷地の様で、フェンスに囲まれた庭園が見えました。
そして掲示されていた演奏会のポスター。


ネマニャ君のお名前が。 テンション上がります(*^。^*)

本来ならお城の庭園での演奏会だった様ですが、生憎の雨のため、会場が教会に変更になった事は、事前に教えて頂いていたので助かりました。

目的の教会もすぐに発見。
何人か楽器ケースを持った方々がうろうろしていました。
間違いない。きっとここが今日の演奏会場だ♪


中へ入ってみると、開演1時間前なのに、既に何人か座っていました。
受付の方に「好きな所に座っていいですか?」と聞くと、「もちろん♪」との事。

そしてやっぱり入場無料との事♪ ネマニャ君を無料で聴けるなんて、罰が当たりそう・・・。
しかも豪華なパンフレットまで無料で頂きました。


前2列は関係者用のお席だったので、3列目の中央をキープ。
オケ用の座席がセッティングされていました。
こんな素晴らしい会場で演奏を聴けるなんて、夢みたいです!!!




開演時間が近づくにつれ、どんどんお客様が増えて、あっという間に会場は満員に。
客席は既にいっぱいなのに、オケの団員さんは意外にのんびり。

開演30分前くらいから皆さん楽器ケースを背負って、会場に入ってきました。
さすがはイタリアン、皆けっこう呑気かも・・・。

そして一番最後に、一目で「この人コンマスだな!!!」とわかるオーラを纏った男性が会場入り。
まだお若く見えましたが、仕事(演奏)出来ます!的な独特のオーラで、明らかに他の団員さんとは格が違う感じ。
この人がコンマスなら良い音出すだろうな~と、更に期待が高まりました。

でも皆さん本当に呑気・・・。
開演直前まで会場内をうろうろしたり、お喋りしたり、イタリアのオケって優雅(笑)

とはいえこのOrchestra Sinfonica Nazionale della Rai
昨年もネマニャ君とは、トリノとエクスレバンで既に共演済み。
その際のパガニーニのコンチェルトをウェブラジオで聴きましたが、弦も管も素晴らしいとっても良いオケだったので、多分今日もやってくれるだろう!

そして開演。

ケルビーニって作曲家さん、全然知らなかったのですが、前奏曲とっても良かったです。
まずやっぱりオケが素晴らしい!
弦がとにかく綺麗。ヴァイオリンもヴィオラもチェロも、それぞれの音が際立って本当に美しいハーモニー。
そして管もよく鳴っている!
それぞれが自由気ままに奏でているのに、見事に調和して素晴らしい一体感。

そして指揮者のトリスデーさんは、見るからにお若い(後で調べたらネマニャ君と同年代みたい)
この方の経歴は全く存じ上げませんが、若い指揮者さんらしく、指揮が若干硬かった。
オケの団員さんがそれぞれ、自分の仕事は自分できっちりやります!って感じの方が多かったので、あまり皆さん指揮者を見ていない気が・・・・。

そして終盤に、譜面台からスコアを飛ばすという、珍しい光景も目にしました。
コンマスさんの冷やかな視線が若干コワイ・・・。
(落ちたスコアは、演奏後に第2ヴァイオリンの首席さんが苦笑しながら拾って、指揮者さんに渡していました・・・)

ネマニャ君との演奏はきっと大変ですよ、頑張って下さいね・・・・・とお節介ながら、指揮者さんに心の中でエールを送りつつ、いよいよネマニャ君の登場です♪

黒の上下に黒のインナー、黒の靴といつものスタイルですが、さすがに暑いのか腕まくりされていました。
そして髪は纏めず、フワフワのロング(髪の毛更に伸びた気が・・・)。
カンヌで生やしていた髭は綺麗に剃られていました。いつもの心和む笑顔。

そして始まる第1楽章。
出だしからとってもクリアで素晴らしいオケの音。
やっぱりこのオケ良い仕事します!

そしてニコニコしながら、オケのメンバーさん達を見つめ、自分の出番を楽しげに待つネマニャ君。
とっても良い感じ♪

ネマニャ君のパガニーニのコンチェルトは一度フランスで聴いた事がありましたが、この日はそれを遥かに上回る素晴らしい演奏でした!
このオケとの相性が、とても良い気がしました。
オケも素晴しい!ネマニャ君は言うまでもなく、本当に素晴らしい!!

教会の美しい装飾、無数に飾られた壁画、白亜の彫刻、浮かび上がるライトの光、そして美し過ぎる音楽・・・・。
ネマニャ君の音も姿も、この世のものとは思えないほど、本当に美しくて美しくて、またもや感極まって泣き出す私。
涙でかすんでネマニャ君の姿がよく見えない。

私にはヴァイオリンの奏法や、細かいテクニックの事はよくわからないけれど、この演奏はそんな事では計れない気がします。
ただ聴いて素晴しくて、ただ聴いて感動する。
音楽って芸術って理屈では無いのだなと、ただただ実感。

この素晴らしさは本当に、神様がこの世に与えたとしか思えない。
しかもここは教会。
すぐ近くに神の存在を感じる。

本当にこんなに素晴らしい音楽家を、この世に与えて下さってありがとうございます!!!と心からそう思いました。

第1楽章が終わると、当然の様に大拍手、大喝采。

イタリアの方々も、さすがにこの演奏には度肝を抜かれたらしく、まだ第1楽章だというのに、なかなか拍手が鳴りやまない。
あまりに長い拍手に、ふざけて帰るふりをするネマニャ君♪

このままでは拍手が鳴りやまないと思ったのか、指揮者さんに「君が構えないと始められないよ」といった感じで、指揮棒を構えるポーズをして見せたりして茶目っ気たっぷり。
素晴し過ぎる演奏と、こういうお茶目な感じのギャップが本当に凄い人です・・・。

この演奏でオケのメンバーの信頼も当然のように獲得。
コンマスさんは無論、第2ヴァイオリンの首席、ヴィオラの首席、チェロの首席も、指揮者さんではなくネマニャ君に熱い視線を注ぎ、殆ど弾き振り状態に。

終始ネマニャ君のペースで演奏は更に白熱し、第3楽章では独壇場。
オケも更に奮起し、凄まじく素晴らしい演奏はあっという間にフィナーレへ。
夢みたいな空間での、夢の様な演奏に、ただただ感動しました。

ネマニャ君、本当に素晴らしい演奏をありがとうございます!!!
そしてネマニャ君の音楽のお陰で、こんなにも素敵な場所に来れました。
本当にありがとうございます!!!

この感動とお礼を、是非ともご本人にお伝えしたい所でしたが、残念ながらコンチェルトが終わった時点で、最終バスの時間が迫っていました。
サイン会は残念ながら見送りです・・・・。

途中で抜け出すために、座席を立ち、最後方へ移動。

そして休憩を挟み、ケルビー二の交響曲。
こちらも素敵な演奏でしたが、第1楽章を終えた時点で時間切れ。

後ろ髪ひかれつつ、フェルマータへ移動。
トリノ市内へ戻る45番の最終バスは22:52発。
またもや高速バス並みの猛スピードで、一路トリノ市内へ向かいます。

ただ乗客が・・・・・。
酔っ払い率高し!日本でいうところのヤンキー率高し!
車内は治安悪げな無法地帯だ・・・・。
これは確かに女性1人での乗車は止められますわ・・・。

とはいえ、現地の女性も何人か乗車されていたので、少しホッ。

走ること約35分(夜は乗客が少ないので、停車が少なく早いらしい。多分時刻表より早い→時刻表は守らないらしい)

乗り過ごさない様に、あらかじめ運転手さんに「DANTEに着いたら教えてください」とお願いしておいたので、フェルマータ到着時にはクラクションで教えてくれました。
よし、ここでポルタ・ヌオーヴァ駅行きの34番バスに乗り換えたら、あとはホテルの目の前のフェルマータで降りるだけ♪

この時点で既に23:30。

周囲に何もない真っ暗な幹線道路のフェルマータで、バスを待つのはさすがに心細い。
実は同じフェルマータに女性が1人いたのですが、この人ぶつぶつ独り言を言っていて、かなり怖かった。
ま、誰もいないよりはマシですけどね~。

そんな感じで待つ事、約15分。
遥か彼方に見える34番のバスのライト。
バス来た~。

トリノのバスは乗車時もアピールしないと止まりません。
そこで「乗りまーす♪」と手を挙げてアピールしたら、何と!!!
猛スピードで走っていたバス・・・・小さなアジア人に気づかなかったらしく、猛スピードで走り去った!!!!!!!

う、う、うそー!!!!!
これ最終バスだよ~。
しばし、茫然と立ちつくす・・・・。
道もわからないし、どうしよう・・・・・。

独り事女性はというと、あいかわらずベンチに座って独り事。
バスを待っていた訳ではないらしい・・・・。

ここで思い出した!ホテルのフロントのお姉さんが、タクシー会社の電話番号書いたメモをくれたんだ!!!
持ってて良かった、海外携帯。

早速タクシー会社に電話して「今フェルマータのDANTEにいます。1台呼んでください」って頼んだら、「フェルマータ名ではわからないから、ストリート名を教えて」って・・・。
通り名なんて、どこにも書いてないんですけど・・・・・・。

そこで独り事女性に「すみません。タクシー呼びたいので、この通り名教えてもらえますか?」って聞いたら「明日は天気ですよ~。あなたに神のご加護を~。」って・・・・。
ダメだ・・・・。

ところがフロントのお姉さんオススメだけあって、このタクシー会社さん、とっても親切だった。
「少し歩けば、お店があるかもしれないし、誰か人がいるかも。そうしたら通り名がわかるから、誰か探してみて。電話はこのまま繋いでおくから。」との事。
地獄に仏とはこの事です。

少し明るい方へ歩いてみたら、大きな交差点に出た♪
通りの向こうにスナック・スタンドが見える~。
やったー。

スナック・スタンドのお兄さんに事情を説明して、電話を代わってもらおうとしたら、「今丁度通りの向かいに空車が停まっているから、君あれに乗りなよ。」との事。
大きな通りの向こうを見ると、ぽつんと1台、タクシーが♪
おおー、やったー。

タクシー会社のお姉さんに「空車を見つけてもらいました。ありがとうございました。」とお礼を言って、早速タクシーに乗り込み、ポルタ・ヌオーヴァ駅へ。

DANTE付近からはそんなに距離は無いので、気になるタクシー代も10ユーロで済んだ♪
とはいえ、かなり冷や汗かきました。
やっぱり皆さんのアドバイス通り、サンテナからタクシーにすべきだったかも・・・・。

でもトリノの皆様のご親切のおかげで、無事にホテルに戻る事ができました。
本当にこの街では色々な方に親切にして頂いて、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
皆様、本当にありがとうございました。

2011/08/08

Mardi 26 Juillet 2011 Nuits Musicales du Suquet ♪


今回の旅では、3つの演奏会を聴いてきました。

まずはフランスのカンヌ(Cannes)で行われた演奏会。
こちらはカンヌの夏のフェスティバル「Nuits Musicales du Suquet 」の中の演奏会でした。

元々今回はイタリアの演奏会に行こうと思っていたのですが、イタリアの前日がカンヌという事で、こちらも併せて行く事に♪

チケットはフランスのFnacで事前に予約。
Fnacでのチケットオーダーは初めてだったのですが、サイトで予約した3日後にはDHLでパリからチケットが到着しました!!!

フランス人にはありえない(笑)仕事の早さ!
さすがはFnac。

そして演奏会の詳細はこちら。パレ・デ・フェスティバルのサイトから抜粋です。

Nuits du Suquet 2011
Nemanja Radulović "Les Trilles du diable"
Mardi 26 Juillet-21h15
Parvis de l’Eglise Notre-Dame d’Espérance

Fritz Kreisler « Prélude et Allegro » Arrangement de Marc-Olivier Dupin 
Henryk Wieniawski « Légende » en sol mineur op.17 Arrangement de Gilles Rupert
Franz Scubert Rondo en la majeur D.438

ENTRACTE

Tomaso Antonio Vitali Chaconne en sol mineur Arrangement de Marc-Olivier Dupin
Piotr Ilitch Tchaïkovski « Souvenir d’un lieu cher » op.42 Mélodie, Scherzo, Méditation Arrangement de Marc-Olivier Dupin
Giuseppe Tartini « Trilles du diable » Sonate en sol mineur op.1 n°4 Arrangement de Marc-Olivier Dupin

会場はノートル・ダム・ド・レスペランス教会(Eglise Notre Dame De L'esperance)
こちらはガイドブック等にも紹介されている、カンヌを代表する観光名所らしい。


演奏会スタートは21:15。
日の長い夏のヨーロッパはまだ薄暗い程度。



私の席はK列でしたが、傾斜が比較的きつい座席設置だったので、ステージがよく見えました♪

そしてメンバーさんが登場。
ネマニャ君は黒の上下に黒のインナー。髪の毛はまとめ髪にされていて、ひげを少し生やしていました。
相変わらずとっても素敵な笑顔で、心が和みました。

メンバーさんも全員黒づくめの中、アンヌさんだけが黒のフレアパンツ(多分)に深紅のトップス。
まさに紅一点でとっても素敵でした♪

今回は曲の前に、メンバーさんが交代で曲紹介をするという構成。
客席もそれほど多くない事もあり、とても和やかな雰囲気の演奏会でした。

吹き上げる夏の夜の風も気持ち良いし、次第に暗くなっていくと共に、ライトが照らされとても幻想的な雰囲気。

そんな中で聴くLes trilles du diable!!!
いつもながらアイコンタクトしあって、本当に素晴らしい演奏!!!

実は曲の途中で、赤ちゃんの泣き声みたいな声が聞こえてきて驚いたのですが、何とこれが海鳥の鳴き声!
しかもコイツがなかなか去ってくれない・・・・。
きっと素晴らしい演奏につられて飛んできてしまったのか、ウギャーウギャー鳴きながら上空を飛んでいました。
しかもビミョ~に演奏に鳴き声が合っている・・・・。
たまらずメンバーさんも笑っていたのが印象的でした。

途中の休憩タイムには、近くの席に座っていた素敵なフランス紳士にシャンパンをご馳走になりご機嫌だったワタシ。

すっごいカメラでネマニャ君のお写真をバシバシ撮っていらしたので、てっきりカメラマンさんかと思いきや、カンヌ在住のお医者様との事。

クラシック音楽ファンのおじさまで、色々お話させて頂いて楽しかったです。
「またカンヌに来る時は連絡するんだよ。」って、連絡先を頂きました。

ネマニャ君の演奏会に行くと、毎回素敵な出逢いがあり、新しいお友達が増えるのがとっても嬉しい。
私がネマニャ君とその音楽に、とっても感謝している理由の一つがこれなのです。

そして後半。

毎回溜息が出るくらい美しいシャコンヌ。

そして大好きなチャィコのスケルツォ。この日もめちゃくちゃカッコ良く、そしてとても美しかったです。

圧巻はやはり悪魔のトリル。
ネマニャ君の凄まじいカデンツァに、身体が震えました。

息をするのも忘れてしまいそうなほど、引き込まれてしまいます。
聴衆の皆さんも恐らく同じ思い。会場中がシーンと静まり返って、身動きひとつせず。

まるで映画の中の1シーンを、一時停止したみたい。
その中で1人奏でるネマニャ君、その音もその姿も余りにも美し過ぎます。

そして毎度の事ながら、感極まって泣き出す私。
本当に素晴らしい演奏で、曲が終わると会場中が大喝采、大拍手。足を踏み鳴らして大騒ぎでした。

大興奮の中で、披露してくれたアンコール曲は3曲。

「ヴィバルディの四季「夏」・第3楽章」!!!
本当にこれ大好き!!!ネマニャ君も髪の毛振り乱して、大熱演!!!
キレがあり、凄まじくカッコイイ!!!

そして「シンドラーのリストのテーマ」
最近これが好きで好きでたまらない。
本当に美しくて美しくて、涙無しでは聴けない・・・・。

幻想的な場所でこんなにも美しい音楽。
聴衆の皆様もすっかり聴き惚れているようで、会場中が厳かな雰囲気になりました。

ネマニャ君の弓がゆっくり静かに降りた所で、大喝采、大拍手!!!

鳴りやまないカーテンコールの中、再度ステージに現れたメンバーさん。
ここで最後のアンコール曲に「Pasona Kolo」!!!

これも好きー。大好き!!!
最後の最後までとっても楽しく素晴らしい演奏でした。

終演後は嬉しいサイン会がありました。
メンバー皆さん本当に気さくでとっても優しい♪ 

そしてネマニャ君には「日本はどう?大丈夫?」とご心配頂きました。
「まだ色々問題があるけれど、本当にゆっくりだけど少しずつ良くなってきていると思います。」ってお答えしたら、少し安心されたご様子でした。

素晴らしい演奏に加えて、こうした優しいお心遣いが本当にネマニャ君の凄い所だと思います。
それはメンバー皆さんもそうですけれど。
本当に皆さん素晴らしい音楽家であり、なおかつお人柄も本当に素晴らしいと思います。

11月の来日を心から楽しみにしています。
素晴らしい演奏をありがとうございました。




2011/08/07

intoxicate vol.92 ♪

日本に帰ってきてPCをチェックしていたら、こんなの見つけました♪
皆さんもうご覧になられたでしょうか???

http://tower.jp/article/interview/79368

タワーレコードのフリー・ペーパー「ivtoxicate」のネマニャ君のインタビュー記事。
早速フリー・ペーパーもゲットしに、タワレコへGO!!!
6月20日から配布されていたようです。
気づくの遅っ。

とても良い記事なので、まだご覧になられていらっしゃらない方は是非ぜひ♪