5月15日に香港で行われたリサイタルの感想です。
演奏会の詳細はこちら。
15 May 2017 8pm
Hong Kong City Hall - Concert Hall
Rockstar Violinist Nemanja Radulović with Laure Favre-Kahn, Piano
BACH Chaconne from Partita No. 2
GRIEG Violin Sonata No. 3, Op. 45
– Intermission –
PROKOFIEV Violin Sonata No. 2 in D Major
WIENIAWSKI Variations on an Original Theme
ネマニャ君7年ぶりの香港での演奏会は香港初のリサイタル。
そしてアジアツア―の初日。
昨年の6月にチケットを取って以来、約1年この日を楽しみにしていました。
会場は前回と同じく香港大會堂。
建物壁面には大きな広告が掲示されていました。
夜になるとライトアップされ一層素敵でした。
会場内にもポスターが。
CDの販売コーナーもありました。
セルビア人らしき方も大勢いらっしゃいました。(セルビアの方のお顔立ちは特徴があるのですぐわかります。基本的に全員美男美女!)
ここ近年ネマニャ君の人気が高まるにつれ、各国の現地在住のセルビア人の方々が多数演奏会にいらっしゃるようになりました。
さすがセルビアの至宝・ネマニャ君!
開演は20時。
ご挨拶に立たれた主催者の方からネマニャ君が怪我をしたこと、ドクターストップがかかっていたのに香港まで来てくれたことなどのお話がありました。
まだ完全復調ではないのにご無理されたのかなと少し心配に。
1曲目はバッハのシャコンヌ。無伴奏で演奏。
お一人でステージに登場したネマニャ君。
ぱっと見はお元気そうに見えたので一安心。
・・・・・・が、私にはとても違和感のある演奏でした。
いつものご様子と明らかに違うなと感じました。
やはりまだ完全復調ではないのでは?と感じました。
そして演奏後のご本人の表情からも悔しさのようなものが滲んでいたように思います。
続くグリークも以前聴いた時とは明らかに異なる演奏。
演奏中の体の動きもどこか違和感がありました。
音楽を心から楽しむようないつもの表情もあまり見受けられず。
素敵な音なのですが何かが違うなぁと感じました。
気持ちが悪い方にざわざわして泣きたくなりました。
休憩中にお会いできたので、こんなこと聞いていいのか悪いのか散々迷った挙句、どうしても気になって仕方がなかったので、ご本人に伺ってみたところ「もう全然大丈夫だよー。いつもと違う?そんな風に見えた?」と笑われてしまいました。
これまでもどんなに体調が悪くても「大丈夫だよー。」と仰ってきたので、本当にその言葉通りに受け取ってよいのかわからなかったのですが、その言葉を信じるしかないのかなと自分を納得させました。
そんなネマニャ君。
後半のプロコフィエフとヴィニャエフスキでいきなり復活。
先程までの私のモヤモヤはなんだったのかと馬鹿らしくなるくらい、どちらも気持ちの籠った熱量のある演奏でした!
そこから続くアンコールのチャルダッシュ。これは完全にいつものネマニャ節で最高でした!ロールさんのキラッキラな音も本当に素敵でウットリしました。
そして前日が母の日ということで「我が母の教え給いし歌」をご披露。
瞳を閉じて天を仰いでいたネマニャ君の胸中にどのような想いがあるのか、押して知るべしなのでしょうか。
心にスーッと沁み込んでくる素晴らしい演奏。少し感傷的になりました。
ブラヴォーと声が飛び、大喝采で迎えられたお二人。
スタンディング・オベーションされていらっしゃる方も多かったです。
私個人的にはネマニャ君はまだまだこんなものではない!と思っていたので立ち上がらず。楽しみは次回に取っておきます。
とても良いプログラムだったので、また別な機会にしっかり聴きたいなと思いました。
それにしても前半と後半で全く別人に思えた・・・・。
一緒に聴いていた主人も「後半で急にエンジンかかったなー。」と驚いていました。
終演後サイン会は行われなかったのですが、スタッフの方に「ネマニャさんとロールさんはステージドアの所にいらっしゃいますよ。」と伺ったので、行ってみたら美男美女がズラリ!まさに眼福♪
これは絶対チーム・セルビアに違いない!と思って何気なく会話を聞いていたら「スーペル!オドリチュノ!」とセルビア語が飛び交っていました。
どちらも「最高!」って意味です。さすがはネマニャ君。
そんなセルビアの方々に「彼女はセルビア料理も作れるしセルビア語も話すよー。」と無茶振りしてくださってアリガトウゴザイマス、ネマニャ君・・・(;・∀・)
「サモマロ~。」とお答えしたら皆様にちょっとだけウケた、えへへ。
意味は「少しだけだよ~。」です、はい。
もっとお勉強頑張りますね(涙)
ネマニャ君に「後半凄かった!ネマニャは本当に毎回私を驚かせるね!」と言ったら、してやったりみたいなお顔で「そう?じゃあ良かった。あははー。」とまたもや笑われた私でした。
本当に知れば知るほど奥が深く、正直よくわからない人です・・・・。
こんな感じで毎回ハラハラしたり、ドキドキしたり、幸せな気分になったり、楽しくなったり、勝手に心配したり、いつまで聴けるのかなーって不安になったり。
私の感情のすべてをこんなにも揺さぶるのはネマニャ君だけです。
いつまでも健康でいて欲しい。幸せでいて欲しい。
そして長く演奏し続けて欲しいな。
そんなことを願った香港の夜でした。
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