5月23日にマカオで行われた演奏会。
第28回マカオ・アーツ・フェスティバルの一環でもある演奏会でした。
ネマニャ君はソリストとしてご登場。
詳細はこちら。
Resonance through Space-Time
23 may 2017 20:00 The Venetian Theatre
Programme
M. Ravel: “Alborada del Gracioso” from Miroirs, No. 4
E. Chausson: Poéme, op. 25
M. Ravel: Tzigane, Rhapsodie de Concert
M. Mussorgsky / Arr. M. Ravel: Pictures at an Exhibition
Nemanja Radulović, Violin
Jose Luis Gomez, Conductor
Macao Orchestra
ちなみにこちら中国語での演奏会タイトルは【狂響時空】。
時空を超えて響き合うといった感じでしょうか。素敵なタイトル。
会場はザ・ヴェネチアンマカオ・リゾートホテル内のシアター。
ホテル内の会場ということで、そんなに大きい会場ではないのかな?と思っていたのですが、到着してみたホテルは巨大なテーマパーク。
そしてシアターも巨大なのでした・・・・。
天井が高くって驚愕。座席数もかなり多かったため、端サイドは販売せず、中央エリア3ブロックのみの販売だったようです。それでもかなりの座席数でした。
中はこんな感じ。ライティングされ、舞台上は煌めく星空状態。
凄い会場だなーとビックリ。さすがはマカオ。
お客様の入りは正直芳しくなく。6割くらいだったでしょうか。
そして私の座席はB列の中央だったのですが、座席表にはあったA列が実際はなく最前列。しかも中央ブロックには私以外誰も座っていないという貸切状態・・・・。
さすがの私も恥ずかしくって居た堪れなく、同じく空席が目立っていたC列に移動しようかと迷ったのですが、左右のブロックにはお客様がいらしたので、そのまま自分の座席で聴くことに。
ちなみにパンフレットはお写真満載でポルトガル語(多分)、中国語、英語で書かれた豪華版。
しかも無料で配布。
凄いぞマカオ、太っ腹!
まずはラヴェルの道化師の朝の歌。
事前にYou tubeで予習した指揮者のホセ・ルイス・ゴメスさん。
ルックスから受ける印象と異なり、繊細で柔らかい感じの指揮をされる方だなーと思っていたのですが、実際拝見した指揮もイメージ通りでした。
オケに丁寧に寄り添うようなイメージの音で、この感じすごく好きだなーと思いながら聴いていました。
そしていよいよネマニャ君の出番。
オケの皆様に弓を振りながらにこやかに笑いつつ登場。
この感じで舞台に出てくる時はオケの皆様ととっても良いコミュニケーションを取れている証拠。これは楽しみ!
と、思いつつ、実は事前にK子さんと交わした会話。
私「私正直このプログラムで欧州だったら演奏会行かないなー。今回はマカオで近いから来たけど、小作品2曲であっという間に終わるでしょ。もっと沢山聴きたいもん。」
K子さん「えーっ、そう?私ショーソン好きだからすっごく楽しみ。」
と、こんな罰当たりな会話をしていた私・・・・。
私が年間様々な演奏会を行うネマニャ君をいつどこで聴くかを決めるポイント。
なるべく沢山聴ける。好きなプログラムを聴ける。交通の便が良い。航空券が安い時期に行く。
この4つを考慮して決めています。
そういった意味で航空券代やホテル代を考えると、小作品2曲ではあまりにも悲しい・・・・。そのために欧州行きはさすがに辛いです。
そんな感じで始まる前から「今日はあっという間に終わっちゃうだろうね。もう既に悲しい。」なんて言っていたのですが・・・・。
ところが、この演奏会。
驚愕なのでした。
もう本当に凄かった。
今こうしてブログを書きながら、思い出しては涙が出そうになるくらい。
本当に凄くて素敵で素晴らしい演奏なのでした!
香港で「もしかしてまだ完全に回復した訳ではないのかな?」なんて思っていましたが。
お怪我をされていた事すら完全に忘れちゃうくらい、凄すぎる演奏でした。
Trillesでもショーソンの詩曲は度々演奏されていますが、今回は全く異なる音に聞こえました。元々そんなに好きな曲ではないのですが、今回は本当に美しくって情緒的で切ない音でした。
ステージの煌めく夜空みたいな装飾と本当にマッチしていて、夜空の下で演奏しているように、とても神秘的でロマンティックで夢みたいな世界。
小作品だからあっという間に終わっちゃうなんて考えていましたが、とても長く感じました。本当に素敵な演奏で聴き惚れました。
そして続いてはラヴェルのツィガーヌ。
この曲は大好きなので楽しみにしていたのですが、今回のは特に凄かった!
カデンツァの冒頭でニヤッと笑ったネマニャ君。
この顔久しぶりに見た!
この表情を見せる時のネマニャ君は毎回ノリに乗って凄まじい演奏を聞かせてくれる時。
最初のフレーズだけできっと手ごたえを掴んだのかなと、こんな風に最高のコンディションでネマニャ君が演奏してくれること自体が心から嬉しかったです。
様々な技巧が散りばめられた難しい曲だと思うのですが、ネマニャ君の手にかかると指先から自然に音が零れ落ちるように、難なくスムーズに弾いているように見えてしまいます。
そしてピッツィカートの艶っぽい美しさ。今でも耳に残っています。
演奏中のネマニャ君を見ていると、その音はもちろん姿も美しいなあと見惚れてしまいます。特に肩から肘、そして弓を捌く手首のラインが本当に美しくて惚れ惚れします。
私の仕事は音楽関係とは全く異なる仕事なのですが、姿勢や姿形というのが非常に重要視されます。
身体の造り上、無理のない動きというのは限られていて、その動作の中で動けると一番効率的な仕事に繋がり結果に繋がるということが実証されています。
毎回ネマニャ君の演奏する姿を見ていると、本当に無理なく自然と体を動かしているのがわかり、その動きが非常に理にかなっている気がします。
だからこそ美しく見えるし、あの素晴らしい音も出るのではないのかなーなんて、素人ながら思ってしまいます。
終盤に近づくにつれどんどんテンポが速くなり、凄まじいスピードにも全く乱れることはなく、最後まで圧巻の演奏でした。本当に凄かった!
こちらの想像を軽々と超え、どんどん高い場所へいってしまいますね。
毎回良い意味で裏切られます。今回もとんでもなく裏切られました。
本当に凄い人です!
休憩中にK子さんとお会いし「凄かった!」「もうあの人何なの!ヤバくない?」と大興奮。
小作品2曲だったら欧州行かないなんて言って本当に申し訳ありません・・・・。
こんな演奏を聴かせてくださるなら、欧州だろうがどこだろうが、どこまでもついて行きます!
これほど凄い演奏の後なので、通常は「もうこの後どんな音も耳に入れたくない。何も聴きたくない。」と帰ってしまうのですが、今回はプログラムが大好きな「展覧会の絵」。
しかもホセさんの指揮がちょっと好きになった私。
後半は座席を後方に移動しゆっくり聴かせていただきました。
プロムナードを聴くとなんだかテンションが上がるのは私だけでしょうか。
とても素敵な演奏で堪能しました。
こんな感じで素晴らし過ぎた演奏会。
あまりに現実離れしていて夢みたいだったので、そんな時は毎回発揮してしまう私の人見知りモード。
終演後にお会いしたネマニャ君に、あれも話したい、これも聞きたいと、言いたいことは沢山あったのに、完全に人見知りしてしまい、言葉が全く出てきませんでした。
そして目の前を通り過ぎるホセさんにご挨拶でもと思いつつ、話しかけることさえできなかった私。本当にヘタレです(涙)
とりあえずネマニャ君には「今日凄かった!いっつも私の想像を超えていくね!」という言葉だけはなんとかお伝えしたけれど、本当はもっとお話したいことが沢山あったのに・・・。
しかもこのセリフ、毎回言っている気が・・・・(汗)
「なんだか今日ネマニャ君が大スターみたいに思えたね。」ってK子さんに言ったら「元々大スターでしょ。」って言われました・・・・(;・∀・)
いや、本当に凄い人です。
こんな演奏を聴かせていただけて私は幸せ者です。
ネマニャ君、ホセさん、オケの皆様、素晴らしい演奏を本当にありがとうございました。
マカオ、凄いですね。
返信削除今度ネマニャさんがマカオに来たら、私も絶対行きます!
とても素敵な演奏で惚れ惚れしました!毎回新しい衝撃と感動を与えてくださる本当に凄い人です!マカオは日本からも行きやすかったのでおススメです♪
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