この演奏会の開催を知ったのは2月。
ヨーロッパは色々な国に行っていますが、何故かイタリアには今まで縁がありませんでした。
何となく「たまにはイタリアも良いかも♪」と思い、この演奏会に行く事にしたのですが、本当に情報が少なくて苦労しました。
でも苦労した甲斐があって、本当に素晴らしい演奏会でした。
詳細はこちら。
150 anni dell'Unità d'Italia
Concerto mercoledi 27 luglio 2011 ore 21.30
SANTENA - Castello Cavour di Santena
DAL NEOCLASSICISMO AL ROMANTICISMO
Orchestra Sinfonica Nazionale della Rai
Trisdee Na Patalung, direttore
Nemanja Radulović,violino
Luigi Cherubini ( (1760-1842)
Ouverture da concerto in sol maggiore
Niccolò Paganini (1782-1840)
Concerto n. 1 in re maggiore op. 6 per violino e orchestra
Allegro maestoso
Adagio espressivo
Rondò. Allegro spiritoso - Un poco più presto
•••
Luigi Cherubini
Sinfonia in re maggiore
Largo. Allegro
Larghetto
Minuetto
Allegro assai
事前に日本で調べたのと、色々アドバイス頂いたのを参考に、行きはバスで行く事にしました。
バスは70分以内なら、どこまで行っても1ユーロとの事。
事前にTabacchi(タバコ屋さん)で念の為に、チケットを2枚購入。
ポルタ・ヌオーヴァ駅前の乗り場から、67番バスに乗車しました。
バス停はフェルマータ(Fermata)と呼ばれていました。
バスを降りる時は、日本と同じくブザーで知らせますが、次はどこというアナウンスは一切ありませんでした。
目的のフェルマータまで何駅(バス停も駅と呼ぶらしい)なのか、心の中で数えながら、約10分で乗り換えのフェルマータであるダンテ(Dante)に到着。
ここからが目的地までは遠い。確か47か48くらい先のフェルマータが会場の最寄り駅。
しかも市バスとはいえ、かなりのスピードで、高速バス並みでした。
進めば進むほど、市街地からどんどん離れて、郊外になっていくのがわかる。
確かにかなり遠い・・・・・。
スピードが速いので、通過するフェルマータの標識は一切見る事ができません。
停車する度にここがどこなのか、必死で確認。
約45分でようやく目的のフェルマータ・AMATEISに到着しました♪
教会らしいものが見えていました。きっとあれが会場だ。
思っていた以上にお店とかもあって拓けているし、帰りも危なくなさそう♪
ここまで遠いと、トリノからタクシーを呼んでも来てくれない可能性もあるので、帰りもバスにしようと決意。
帰りのバス用のフェルマータ・COSMAE DAMIANO CAPOLINEAの場所も確認。
さあ、演奏会場へ行こう。
カヴール城はかなり広い敷地の様で、フェンスに囲まれた庭園が見えました。
そして掲示されていた演奏会のポスター。
ネマニャ君のお名前が。 テンション上がります(*^。^*)
本来ならお城の庭園での演奏会だった様ですが、生憎の雨のため、会場が教会に変更になった事は、事前に教えて頂いていたので助かりました。
目的の教会もすぐに発見。
何人か楽器ケースを持った方々がうろうろしていました。
間違いない。きっとここが今日の演奏会場だ♪
中へ入ってみると、開演1時間前なのに、既に何人か座っていました。
受付の方に「好きな所に座っていいですか?」と聞くと、「もちろん♪」との事。
そしてやっぱり入場無料との事♪ ネマニャ君を無料で聴けるなんて、罰が当たりそう・・・。
しかも豪華なパンフレットまで無料で頂きました。
前2列は関係者用のお席だったので、3列目の中央をキープ。
オケ用の座席がセッティングされていました。
こんな素晴らしい会場で演奏を聴けるなんて、夢みたいです!!!
開演時間が近づくにつれ、どんどんお客様が増えて、あっという間に会場は満員に。
客席は既にいっぱいなのに、オケの団員さんは意外にのんびり。
開演30分前くらいから皆さん楽器ケースを背負って、会場に入ってきました。
さすがはイタリアン、皆けっこう呑気かも・・・。
そして一番最後に、一目で「この人コンマスだな!!!」とわかるオーラを纏った男性が会場入り。
まだお若く見えましたが、仕事(演奏)出来ます!的な独特のオーラで、明らかに他の団員さんとは格が違う感じ。
この人がコンマスなら良い音出すだろうな~と、更に期待が高まりました。
でも皆さん本当に呑気・・・。
開演直前まで会場内をうろうろしたり、お喋りしたり、イタリアのオケって優雅(笑)
とはいえこのOrchestra Sinfonica Nazionale della Rai
昨年もネマニャ君とは、トリノとエクスレバンで既に共演済み。
その際のパガニーニのコンチェルトをウェブラジオで聴きましたが、弦も管も素晴らしいとっても良いオケだったので、多分今日もやってくれるだろう!
そして開演。
ケルビーニって作曲家さん、全然知らなかったのですが、前奏曲とっても良かったです。
まずやっぱりオケが素晴らしい!弦がとにかく綺麗。ヴァイオリンもヴィオラもチェロも、それぞれの音が際立って本当に美しいハーモニー。
そして管もよく鳴っている!
それぞれが自由気ままに奏でているのに、見事に調和して素晴らしい一体感。
そして指揮者のトリスデーさんは、見るからにお若い(後で調べたらネマニャ君と同年代みたい)
この方の経歴は全く存じ上げませんが、若い指揮者さんらしく、指揮が若干硬かった。
オケの団員さんがそれぞれ、自分の仕事は自分できっちりやります!って感じの方が多かったので、あまり皆さん指揮者を見ていない気が・・・・。
そして終盤に、譜面台からスコアを飛ばすという、珍しい光景も目にしました。
コンマスさんの冷やかな視線が若干コワイ・・・。
(落ちたスコアは、演奏後に第2ヴァイオリンの首席さんが苦笑しながら拾って、指揮者さんに渡していました・・・)
ネマニャ君との演奏はきっと大変ですよ、頑張って下さいね・・・・・とお節介ながら、指揮者さんに心の中でエールを送りつつ、いよいよネマニャ君の登場です♪
黒の上下に黒のインナー、黒の靴といつものスタイルですが、さすがに暑いのか腕まくりされていました。
そして髪は纏めず、フワフワのロング(髪の毛更に伸びた気が・・・)。
カンヌで生やしていた髭は綺麗に剃られていました。いつもの心和む笑顔。
そして始まる第1楽章。
出だしからとってもクリアで素晴らしいオケの音。
やっぱりこのオケ良い仕事します!
そしてニコニコしながら、オケのメンバーさん達を見つめ、自分の出番を楽しげに待つネマニャ君。
とっても良い感じ♪
ネマニャ君のパガニーニのコンチェルトは一度フランスで聴いた事がありましたが、この日はそれを遥かに上回る素晴らしい演奏でした!
このオケとの相性が、とても良い気がしました。
オケも素晴しい!ネマニャ君は言うまでもなく、本当に素晴らしい!!
教会の美しい装飾、無数に飾られた壁画、白亜の彫刻、浮かび上がるライトの光、そして美し過ぎる音楽・・・・。
ネマニャ君の音も姿も、この世のものとは思えないほど、本当に美しくて美しくて、またもや感極まって泣き出す私。
涙でかすんでネマニャ君の姿がよく見えない。
私にはヴァイオリンの奏法や、細かいテクニックの事はよくわからないけれど、この演奏はそんな事では計れない気がします。
ただ聴いて素晴しくて、ただ聴いて感動する。
音楽って芸術って理屈では無いのだなと、ただただ実感。
この素晴らしさは本当に、神様がこの世に与えたとしか思えない。
しかもここは教会。
すぐ近くに神の存在を感じる。
本当にこんなに素晴らしい音楽家を、この世に与えて下さってありがとうございます!!!と心からそう思いました。
第1楽章が終わると、当然の様に大拍手、大喝采。
イタリアの方々も、さすがにこの演奏には度肝を抜かれたらしく、まだ第1楽章だというのに、なかなか拍手が鳴りやまない。
あまりに長い拍手に、ふざけて帰るふりをするネマニャ君♪
このままでは拍手が鳴りやまないと思ったのか、指揮者さんに「君が構えないと始められないよ」といった感じで、指揮棒を構えるポーズをして見せたりして茶目っ気たっぷり。
素晴し過ぎる演奏と、こういうお茶目な感じのギャップが本当に凄い人です・・・。
この演奏でオケのメンバーの信頼も当然のように獲得。
コンマスさんは無論、第2ヴァイオリンの首席、ヴィオラの首席、チェロの首席も、指揮者さんではなくネマニャ君に熱い視線を注ぎ、殆ど弾き振り状態に。
終始ネマニャ君のペースで演奏は更に白熱し、第3楽章では独壇場。
オケも更に奮起し、凄まじく素晴らしい演奏はあっという間にフィナーレへ。
夢みたいな空間での、夢の様な演奏に、ただただ感動しました。
ネマニャ君、本当に素晴らしい演奏をありがとうございます!!!
そしてネマニャ君の音楽のお陰で、こんなにも素敵な場所に来れました。
本当にありがとうございます!!!
この感動とお礼を、是非ともご本人にお伝えしたい所でしたが、残念ながらコンチェルトが終わった時点で、最終バスの時間が迫っていました。
サイン会は残念ながら見送りです・・・・。
途中で抜け出すために、座席を立ち、最後方へ移動。
そして休憩を挟み、ケルビー二の交響曲。
こちらも素敵な演奏でしたが、第1楽章を終えた時点で時間切れ。
後ろ髪ひかれつつ、フェルマータへ移動。
トリノ市内へ戻る45番の最終バスは22:52発。
またもや高速バス並みの猛スピードで、一路トリノ市内へ向かいます。
ただ乗客が・・・・・。
酔っ払い率高し!日本でいうところのヤンキー率高し!
車内は治安悪げな無法地帯だ・・・・。
これは確かに女性1人での乗車は止められますわ・・・。
とはいえ、現地の女性も何人か乗車されていたので、少しホッ。
走ること約35分(夜は乗客が少ないので、停車が少なく早いらしい。多分時刻表より早い→時刻表は守らないらしい)
乗り過ごさない様に、あらかじめ運転手さんに「DANTEに着いたら教えてください」とお願いしておいたので、フェルマータ到着時にはクラクションで教えてくれました。
よし、ここでポルタ・ヌオーヴァ駅行きの34番バスに乗り換えたら、あとはホテルの目の前のフェルマータで降りるだけ♪
この時点で既に23:30。
周囲に何もない真っ暗な幹線道路のフェルマータで、バスを待つのはさすがに心細い。
実は同じフェルマータに女性が1人いたのですが、この人ぶつぶつ独り言を言っていて、かなり怖かった。
ま、誰もいないよりはマシですけどね~。
そんな感じで待つ事、約15分。
遥か彼方に見える34番のバスのライト。
バス来た~。
トリノのバスは乗車時もアピールしないと止まりません。
そこで「乗りまーす♪」と手を挙げてアピールしたら、何と!!!
猛スピードで走っていたバス・・・・小さなアジア人に気づかなかったらしく、猛スピードで走り去った!!!!!!!
う、う、うそー!!!!!
これ最終バスだよ~。
しばし、茫然と立ちつくす・・・・。
道もわからないし、どうしよう・・・・・。
独り事女性はというと、あいかわらずベンチに座って独り事。
バスを待っていた訳ではないらしい・・・・。
ここで思い出した!ホテルのフロントのお姉さんが、タクシー会社の電話番号書いたメモをくれたんだ!!!
持ってて良かった、海外携帯。
早速タクシー会社に電話して「今フェルマータのDANTEにいます。1台呼んでください」って頼んだら、「フェルマータ名ではわからないから、ストリート名を教えて」って・・・。
通り名なんて、どこにも書いてないんですけど・・・・・・。
そこで独り事女性に「すみません。タクシー呼びたいので、この通り名教えてもらえますか?」って聞いたら「明日は天気ですよ~。あなたに神のご加護を~。」って・・・・。
ダメだ・・・・。
ところがフロントのお姉さんオススメだけあって、このタクシー会社さん、とっても親切だった。
「少し歩けば、お店があるかもしれないし、誰か人がいるかも。そうしたら通り名がわかるから、誰か探してみて。電話はこのまま繋いでおくから。」との事。
地獄に仏とはこの事です。
少し明るい方へ歩いてみたら、大きな交差点に出た♪
通りの向こうにスナック・スタンドが見える~。
やったー。
スナック・スタンドのお兄さんに事情を説明して、電話を代わってもらおうとしたら、「今丁度通りの向かいに空車が停まっているから、君あれに乗りなよ。」との事。
大きな通りの向こうを見ると、ぽつんと1台、タクシーが♪
おおー、やったー。
タクシー会社のお姉さんに「空車を見つけてもらいました。ありがとうございました。」とお礼を言って、早速タクシーに乗り込み、ポルタ・ヌオーヴァ駅へ。
DANTE付近からはそんなに距離は無いので、気になるタクシー代も10ユーロで済んだ♪
とはいえ、かなり冷や汗かきました。
やっぱり皆さんのアドバイス通り、サンテナからタクシーにすべきだったかも・・・・。
でもトリノの皆様のご親切のおかげで、無事にホテルに戻る事ができました。
本当にこの街では色々な方に親切にして頂いて、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
皆様、本当にありがとうございました。
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