2023年9月3日(日) 14:00開演 東京文化会館
指揮/サッシャ・ゲッツェル
ヴァイオリン/ネマニャ・ラドゥロヴィチ
東京都交響楽団
リャードフ ポロネーズ ハ長調op.49-プーシキンの思い出に
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
チャイコフスキー 交響曲第5番 ホ短調 op.64
先日の都響さんの演奏会の感想です。
コロナ渦で2度のキャンセルを経て、3度目の正直でようやく叶った演奏会。
ゲッツェルさん&都響さん&ネマニャ君という夢の組み合わせ。
その上、チャイコンとベトコンを両方聴く事ができるなんて、なんという贅沢!
定期会員の多い都響さんへの客演という事で、良席ゲットのためにチケットは定期会員券で購入しました。
更に都響さんへのお礼の気持ちを込めて、パトロネージュもほんのお気持ちだけ。
パトロネージュ30口以上だとリハーサルを見学できるとの事だったのですが、さすがにリハまで見に行くのはちょっと怖過ぎるオタクになってしまう・・・と自制いたしました。
そんなこんなで9月3日。
ウキウキしながら会場の文化会館に到着。「完売御礼」の文字が嬉しい。
会場ではCDが販売されていました。
終演後サイン会もあるとの事。
会場で昔から仕事関係でお世話になっているWさんにバッタリ遭遇!
クラシックがお好きで、年間かなりの数の演奏会に通われている方。
数年ぶりの再会だったので凄く嬉しかったです。
Wさんは都響さんの法人協賛をされているそう。
「ちょうど今、君の話をしていたんだよ。」とご一緒にいらした都響の事務局の方にご紹介いただきました。
「私が言うのもなんですが、ネマニャ君を呼んでくださってありがとうございます!!!」とお礼をお伝えしました。
是非また招聘いただけると嬉しい。。。
ネマニャ君の演奏するチャイコンは過去何度か聴いています。
過去の演奏で一番好きなのは2017年のクアラルンプール公演。
本当に素敵で未だに忘れられません。。
そんなネマニャ君のチャイコン。
コロナ渦以降、ネマニャ君の演奏を聴く度になんとなく感じていた事を、この日も感じました。今回のチャイコンは特に顕著だった気がします。
以前の音は本当にキラキラしていて、瑞々しさに溢れていて、ホール中を音色が真珠の珠みたいに輝きながら飛び回るようなイメージでした。
生命力に溢れて、怖いものなんて何もなくて、どこまでも飛んでいけるような。そんな音だったと思います。
先日の演奏はぐっと大人になった気がしました。
一音一音に様々な感情が込められて、嬉しさや楽しさだけではなく、これまで経験されたであろう悲しさや悔しさや切なさ。そうしたマイナスな感情も含めて、より多くの事を伝えようとしているように感じられました。
ただ美しいだけではなく、奏でる音すべてに意味があり、問いかけてくるような演奏。
以前ヴァイオリンの事を「言葉が通じなくても自分の感情を伝える事ができる、ヴァイオリンは通訳みたいなもの」とインタビューに答えていた事を思い出しました。
そしてカデンツァ。どうして聴いているだけなのにあんなに緊張しちゃうのでしょう。
張り詰められた空気の中で、静寂の中で、もう息をする音さえ漏らしたくなくて、身体中が緊張で痺れるような感覚を味わいながら、あの美し過ぎる音を聴いていると、もうこのまま時が止まって世界が終わるのではないかという気さえしました。
チャイコンって昔はもっと楽しく聴けていたはずが、とにかく緊張してちょっと怖さを感じながら聴いていた今回。
都響さん、やっぱり素晴らしいオケですね。
そしてゲッツェルさんとネマニャ君って相性が良いなぁ。
演奏終了後にネマニャ君に対して笑顔で盛大な拍手を送ってくださっていた都響のメンバーの皆様のお姿を拝見して、オケの皆様に本当に温かく迎えていただいたのだなと実感できて、私もめちゃくちゃ嬉しくなりました。
そしてアンコールはパガニーニ、カプリース24/5!!!
久しぶりに聴けて嬉しかった。。。感涙。
ネマニャ君がいつもサラッと弾くので、超絶技巧が散りばめられた曲だという事を忘れてしまいそうになるけれど。ステージ上のプロの演奏家の方々の呆気に取られたような表情だったり、聴衆の皆様の大喝采から、いかに難しい事をやっているのか実感します。
前半終了後にすぐに仕事に行かなければいけなかったので、演奏会にご招待させていただいた方々に慌ただしくご挨拶。
皆様「素晴らしかったです!」「ネマニャさん、凄いですね!」「涙が出ました!」と沢山誉めてくださって、本当に嬉しかったです。
ネマニャ君の事、いつも誇りに思います。
後ろ髪を引かれる思いで会場を後にして職場へ。
「今頃サイン会やっているのだろうな。良いなー。私もネマニャ君に直接感想をお伝えしたかったよ。」と涙ながらに仕事していたら、演奏会にご招待した方から「二人と会話もしました!二人からサイン貰いました。最高の時間でした!」とメッセージが届きました。
えっ???二人・・・。ゲッツェルさんもサイン会にいらしたの???
余計に羨ましい・・・。
お二人の笑顔の写真を撮って送ってきてくださったのはグッジョブ!って感じです。Oさん、ありがとうございました~。
そんな感じで素敵な演奏の余韻に浸る暇も無く、深夜まで仕事してヘトヘトになったのでした。
そして今頃素敵な音を思い出しては、頭の中で鳴らして反芻しているのでした。